KAORUKO Parisをご紹介します。

KAORUKO Paris

Ayakoのパリ便り vol.3
絵心のあるフランス人の遊び心

後藤 綺子

 パリの町を歩いているとあっという間にメトロの2〜3駅ぐらいを歩いています。これは私だけでなく、友人たちも、また日本から来た人も「日本に比べて本当によく歩くわ、パリでは。」と言っています。パリのメトロは駅と駅の間隔が比較的短い(500m前後)ということもあると思いますが、歩いていると楽しいからというのが本音かもしれません。

 すれ違う人を観察するのも興味深いし、ショーウインドーを見るのも本当に楽しいと思えるのがパリの街。東京だって決してパリより劣っているわけではありません。むしろ清潔さという点においては、東京は否、日本は世界に誇れるほど清潔感があり、これは私たち日本人が胸を張って誇ることのできる美点です。

 そういう面から見るとパリは汚れているし(と言っても一概には言えないのですが、いわゆるパリの顔と言える中心地に近いところは綺麗ですが、観光地でないところは全く雰囲気が違います)、犬のフンはいたるところに落ちている(特に左岸のサンジェルマン地区は気をつけなければなりません)し、落書きも多く汚いのです。

 清潔感を好む日本人、落書きに罪悪感を持たないフランス人なのでしょうか?落書きには2種類あって、鬱憤のはけ口に書いた殴り書きタイプともうひとつは自己表現の一つとして描いたエスプリやアート感覚に溢れたものがあります。

 後者の落書きには「お主、やるな」と見る側が心のどこかで言って、描き手にエールを送っているのです。だから上手に描かれた落書きは昔から続いていて、今も街からなくならないのでしょう。美的であり丁寧に描かれた落書きなら、街の景観も損ねないから、温存され、街の一部になっていく。町を歩きながら、そんな壁を見るのはとても楽しいことです。清潔感を大事にするか、落書きの遊び心に拍手を送るか、国民性の違いがよく現れていると思います。

 日用品の細々としたものを売る雑貨店のことをフランス語で「ドゥログリー droguerie」と言いますが、最近はスーパーマーケットにその座を奪われている感があり、 淋しい限りです。日常生活に必要なものが何でも置いてあり、お店のオーナーの好みがそのまま商品に表れるので、気に入ったお店では時間が経つのをついつい忘れてしまいます。

 5区にあるドゥログリーは偶然、出会ったお店です。まずお店の外に置いてあったたくさんのカゴに目を奪われ、中に入ると、ある、ある、その日からでも使いたくなるような魅力的な商品ばかりではありませんか。オーブン用のアルザスの陶器の器、ちりとり、イタリア製のプラスティックの水差しとコップ、整理箱、、、。

 ふと目線を上げると、えっ、天井が絵本のように描かれていて、魔法使いのおばあさんが乗るような箒がつる下がり、ジョウロもぶら下がっているのです! ここは毎日がファンタジーに溢れ、絵本の世界へと誘ってくれるのです。天井に色を塗るのならいっそのこと楽しく、メルヘンの世界にしましょうというオーナーの遊び心が全開しています。

 先日、モンマルトルの地下鉄アベス駅に行った時のこと。アベス駅は丘のふもとの中腹あたりにあり、線路と出口に標高差があるため、通常は大きなエレベーターが動いています。その時は工事中だったため、仕方なく螺旋階段を使ったのですが、そこでびっくり。それまでのなんの変哲も無い白い壁が一変して、ファンタジーに溢れる壁画になっていたのです。空を飛ぶ幻想的なベガサス、ムーランルージュをバックにした鼓笛隊の少年たち、サクレクール寺院が描かれたモンマルトルの景色、壁面いっぱいに描かれた花畑など、全部で7種類の壁画でした。

 7点の壁画はそれぞれタッチが異なっているので、7人のアーティストの手によるものでしょう。こういった発想が一体どこから来るのか、私はただただ感心するばかり。(日本でもこんなふうに夢とセンスのある人が、行政に携わってくれるといいなぁ。)描かれているテーマは、「ファンタジー」と「モンマルトル」です。抽象でも、現代アートでもなく、みんなが親しみの持てるほっとできるテーマと表現に仕上がっていて、たくさんの人が利用するメトロにふさわしく、大変素晴らしい空間だと思いました。

 アベス駅は地下鉄12号線です。パリに行ったらぜひ行ってみてください。

@ 通りを歩いていると思わぬ発見があります。
こんなに高いところにどうやって描いたのでしょう?
A クロールをしているのでしょうか? 
それにしても手にしているものには何が入っているの?
B ユーモラスな表情がいいですね。
C きっちりとまっすぐに描かれています!
D トナカイがソリを引いて、まるで絵本の3Dみたい!
E ジョウロも箒も売りものですよね。
F ムーランルージュの前で演奏する鼓笛隊。
G 空を飛ぶペガサスが生き生きと描かれて。
H モンマルトルのランドマーク、サクレクール寺院
I 柔らかな光を受けて咲く花々。

Ayakoのパリ便り vol.2

後藤 綺子
プロフィール:後藤 綺子(ごとう あやこ)
ファッション誌の編集を経てフリーに。パリに19年間暮らし、ファッション、花、旅の取材と執筆、コーディネートをこなす。テーマはアール・ドゥ・ヴィーヴル。現在は日本在住。年に何度か渡仏。

 パリで花が美しく植栽されていて、ホッとできる場所の一つにジャルダン( Jardin )と呼ばれる庭園があります。今回は特にお薦めの2つをご紹介しましょう。

 まず、「リュクサンブール庭園」(リュクサンブール公園とも呼ばれています)ですが、ここはいつも人が多く訪れ、それぞれの人がそれぞれの楽しみ方でくつろいでいます。特に気候のいい時季は、花壇の前に椅子を置いて日光浴する人、本を読みふける人、友達同士おしゃべりをする人、池でレンタルの舟を操る子供たち、ロバに乗って得意げにライディングする子供たち、芝生に寝そべって語り合うカップル、テニスをする人、チェスをする人、アマチュア・コンサートなど、そこで目にする光景をあげたらきりがないほどで、どれもが幸せそのもの。ただ散歩していてそういうのを見るだけでも気持ちがリラックスしてきます。

 私は西側の入り口の近くに住んでいたので、よく訪れました。といっても庭園で過ごす時間はなかなか取れないので、外出する際、その都度方向を変えて庭園を突っ切ることを実践していました。束の間の散歩であっても、季節の移ろいを感じたり、小さな発見があって、いつもの街の中の通りを歩くのとは違って気分が浮き立つのです。

 ある夏の日、いつものように西門から入って庭園中央の花壇の花を見て、北側の門から出て郵便局に行こうとしていた時のこと、ふと目に止まった一枚のポスター。それを見ると近々、リュクサンブール庭園で開催される野外オペラ、ロッシーニの「セビリアの理髪師」が上演されることがわかりました。

 友達を誘って観に行きましたが、日が落ちて夜風に吹かれながらの観劇は、劇場とはまた違う感動を得たのでした。それにしてもたった2日間であっという間に鉄骨を組んで舞台と客席を作って、しかもパブリックなスペースを使った公演が行われたのです。

 こんなことに出会えるのも、リュクサンブール公園を突っ切って、散策した結果という他ありません。

 もう一つ、お気に入りの庭園は「パレ・ロワイヤル庭園」です。「パレ・ロワイヤル」とは「王宮」という意味ですが、その名が示すようにルイ14世が子供時代を過ごしたところです。庭園を囲むように建物が建ち、回廊になっていて、ここについているランプ一つとってみても格調の高さが伺えます。

 リュクサンブール庭園に比べるとぐっと狭い面積ですが、庭に植えられている樹木は整然と美しく、夏の間は直射日光を遮って木陰を作り、葉がすっかり落ちた冬にはパリのどんよりした曇り空とともに、パリ特有の冬の寂寥感が漂っていて雰囲気抜群のところです。

 イメージがガラリと変わって開放的な夏になると庭園はとりわけ美しく、冬の間何もなかったところに花が植えられるのです。しかも花の高低、色合い、種類などが見事に計算されていて、柵の小さな扉を押して中に入ると、ベンチが置かれ、バラの花の傍で本を読んでいる人がいたりして、なかなか様になっている光景も見受けられます。

 庭園の中心には大きく高く上がる噴水が勢いよく昇り、あたりの静けさを破って水しぶきの音が聞こえます。水は人の気持ちを落ち着かせるもの。夏でも冬でも絶えず美しい弧を描いている姿が、これまた「王宮」という名にふさわしいな、と思うのです。

 パリに行ったら、是非訪れてみてください。期待を裏切らない素敵な場所ですよ!

リュクサンブール庭園

庭園の中心部にある花の植え込み。紫、ピンク系の花が緑の芝生に映えて。

庭園の北側の建物はリュクサンブール宮殿で、現在はフランス上院。建物前にも芝生と花の植え込みが素敵な空間を作っています。

庭園の中央部には池があり、写真後方に見えるドームはパンテオン(フランスの偉人たちを祀る霊廟)。

西門から入るとこのマロニエの並木道が続いていて、新緑の季節から枯れ葉舞う頃まで素晴らしい空間となっています。

脚を伸ばしてリラックス。至る所に鉄製の椅子が置かれ、位置をずらして使うことができます。


パレ・ロワイヤル庭園

初夏から秋まで限定の芝生&花畑になる中庭。手間はかかりますがこのアイディア、なかなか粋!

ランプが素晴らしい格調高い回廊。アンティーク店やレストランなどが入っています。

整然と植栽された樹木。日照りの強い時は木陰を歩くと気持ちいい。

伸びやかに育ったコスモス。白だけに統一しているのも美しい。

大きく高く上がる噴水。その周りに椅子を置き、リラックスしている様子は見る側もリラックスできます。

Ayakoのパリ便り vol.1

"何か"が違うパリの展覧会。モードの国、パリならではの展覧会にうっとり!
後藤 綺子

 パリに暮らした19年間、そして帰国してまもなく6年になろうとしています。帰国してからは年に2?3回フランスを訪れ、取材やコーディネートの仕事をしています。少し間を置いて(といっても半年ぐらい)パリに行くととても新鮮に感じたり、半年のうちにあっという間にネット社会が進んで変わっていたり、また全然変わっていないことも多くてホッとしたりで、変わるフランス、変わらないフランスの両面があって興味深く感じています。日本とフランス、どちらも魅力的な面とそうではない面がありますが、今回はパリの魅力的なことの一つ、展覧会についてご紹介しましょう。

 東京でも数々の素晴らしい展覧会が常に開催されていて、決してパリに比べて引けをとりません。でも"何か"が違うのです。

 まず会場ですが、ゆったりとしていて天井が高く、グランパレ(1900年のパリ万博のときに建造された鉄とガラスでできた丸屋根が特徴)のような歴史的建造物が使われたり、美術館の中で展覧会が開催されるなど、会場の選定には脱帽します!

 そして展示の仕方です。絵画ならガラス付きのものは少なく、ほとんど至近距離でダイレクトに見ることができます。陳列品の前にロープを張って、はい、ここまでなどということはありません。それから写真撮影OKなのです! 日本とはだいぶ違いますね。撮影してもいいのはその作品が発表されてから50年以上経った、いわゆる著作権が切れたものに限られますが、美術館で見るものは大体50年以上前の作品ですから。

 それでは今年の夏、私が訪れた展覧会を見てみましょう。パリは言わずと知れたモードの国。ファッションの魅力的な回顧展が2つありました。否、一つはまだ進行中です。一つは「バレンシアガ、黒の作品展」(Balenciaga, l'?uvre au noir)。バレンシアガは1950?1960年代にパリ・オートクチュール界で活躍したクチュリエ(オートクチュールのデザイナーをフランスでは敬意を込めてこのように言う)で、大胆なフォルムを追求し、気品のある服作りで地位を築きました。今回の展覧会では黒の服に焦点を当てていて、バレンシアガの服でこんなにも黒があったのかと驚き、まるで1980年代以降の黒のモードの先取りをしていたようだと感じました。

 この展覧会では内容の素晴らしさはもとより、会場選びにも感心しました。場所はブールデル美術館で、普段は彫刻ばかりを展示している美術館です。常設の彫刻作品をそのまま生かして、バレンシアガのフォルムの服の美しさを追求した服を同じ空間に展示するという、極めて斬新な展示方法で相乗効果を生み出していました。

 もう一つは「クリスチャン・ディオール、夢のクチュリエ展」(Christian Dior, Couturier de R?ve)です。メゾン設立70周年を記念した大回顧展で、ファッションの展覧会としては過去最大規模ということです。ブランドの核となる故クリスチャン・ディオールの幼少期の写真、資料や作品から、彼の死後ブランドを引き継いだ現在までの6人のデザイナーのオートクチュールの作品がズラリと展示されました。

 ここは2つに建物が分かれていて、一つは先に紹介した展示室での展示です。もう一つはホールと呼ばれている天井がこの上なく高く、吹き抜けになっているところで、こちらでは天井までの高さを生かした大スペクタクルになっています。何段にもなって展示され、顔をあげて見ていても到底見切れるものではないのです。それと別のホールでは天井から光の洪水が使われ、展示されたソワレ(イヴニングドレス)が一層華やかに見える効果を演出していました。

 会場となったのはルーヴル美術館に隣接するリヴォリ通りにあるパリ装飾芸術美術館です。(会期は2018年1月7日まで。火曜休館)

 2つの展覧会をご紹介しましたが、どうですか、やっぱりパリってイメージづくりが巧いですね。

バレンシアガ

ブールデル美術館に常設されている彫刻作品と並んで、バレンシアガの服が展示された画期的な見せ方です。

ブロンズ像が置かれた中庭には紫陽花が咲き、ホッとできる空間になっているブールデル美術館。

天使の彫像とバレンシアガの黒のドレス3点。

バレンシアガの作風がよく表れているエレガントなドレス。

黒いボックスにはカーテンがかかっていて、そこから覗き込むように、あるいはカーテンを引いて中の作品を見るようになっている凝った展示方法。


ディオール

リヴォリ通りに面したパリ装飾芸術美術館。外からもディオール展がここで開催中であることがよくわかります。

美術館を入るとすぐにこんな素敵なデザインが施された階段を昇って、展示室にむかいます。

クリスチャン・ディオールといえば、この「ニュー・ルック」。70年前の戦後まもない1947年に発表され、エポック・メイキングなものとなりました。

オートクチュールならでは、最初に作る仮縫いのためのトワル。この見せ方は圧巻!

天井までの高さを有効に使ったイヴニングドレスの展示。光の洪水を使って華やかさをさらに盛り上げて。

KAORUKO先生が6月のKAORUKO London に引き続き 7月はKAORUKO Parisへ

Parisの人気フラワーアーティストたちと今年も交流してまいりました。

KAORUKO Parisと連携の皆様と日仏トップフラワーアーティストどうし最先端のスタイル、花合わせで楽しみました。

KAORUKOフローリスト銀座でも、KAORUKO Paris同様のスタイリッシュなParis風花束をお届けします。

花束ならなんでもいいの時代は終わりました?
SNS最先端のフローリスト銀座は、世界でも人気、そして
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とっておきの花束をKAORUKOのセンスで、お作りいたします